ローンボウルズとは
競技の概要
ローンボウルズは、芝生の上で、合成樹脂でできた偏心球をころがしてジャック(目標球)に近づけることを競うゲームです。よく似たゲームにペタンクがありますが、芝生の上で競技することと、ボウルをゆっくりと転がすことに違いがあります。競技の名前にも、”Lawn”(芝)がつけられています。海外では単にボウルズ(Bowls)と呼ばれることも多く、日本語の発音は似ていても、野球やテニスのボール(Ball)とは区別されています。
ボウルは偏心球なので、スピードが遅くなるにつれ、大きなカーブを描きながら転がります。ボウルの重さは、1.59kgを超えてはいけないことになっています。
ボウルが描くカーブと芝の状態を予測しながら、できるだけジャックに近づけて停止させることに、難しさと面白さがあります。
ゲームは、約35m四方の専用コート(グリーン)で行われます。グリーンは、6m弱×35mの長方形に6または7等分して使用され(リンク)、ひとつのリンク上で、ひとつの競技が行われます。
競技は、1対1で行うシングルスから、4対4でおこなうフォアーズというチームプレイまで、4種類あります。競技する人数や使用するボウルの数が増えると、ただジャックに近づけるだけでなく、相手のボウルをはじいたり、ジャックを移動させたりする戦略も必要になります。
競技の進め方
ここでは競技の進め方をわかりやすくするため、黒チーム(AさんとBさん)vs 赤チーム(CさんとDさん)、つまり2対2のペアーズのゲームを例にとって、説明します。ペアーズでは、1人のプレーヤーが4球のボウルを使用します。
- じゃんけんなどで、先攻チームを決めます(ここでは黒チーム)
- 黒チームの1番目のプレーヤー(リード)がジャックを転がし、目標球の位置を決めます
- 黒Aさんが1球目を投球
- 赤Cさんが1球目を投球
- 黒Aさんが2球目を投球
- 赤Cさんの2球目を投球
………以下同様に、それぞれのチームの1番目のプレーヤー(リード)が4球ずつ投げます - リードが4球ずつ投げ終わったら、各チーム2番目のプレーヤー(スキップ)に交代します
- 黒Bさんの1球目投球
- 赤Dさんの1球目投球
………以下同様に、それぞれのチームの2番目のプレーヤー(スキップ)が4球ずつなげます - 全員が投げたら、1エンドが終了
ジャックの周囲のボウルの配置によって、そのエンドの得点を数えます。これを1ゲームにつき、定められたエンド数繰り返し、各エンドに獲得した得点の合計によって、勝敗が決定します。
得点のつけ方
さて、1エンドが終了した時点で、ジャックの周囲には下図のようにボウルが停止していたとします。黒い円は黒チームのボウルを、赤い円は赤チームのボウルを、白い円はジャックを表しています。赤チームのボウルのほうが、黒チームよりジャックに近い位置で停止しているのがわかります。
このことから、得点権は赤チームにあると判定されます。
次に得点権のない黒チームのボウルのうち、ジャックに一番近いのはどれかを探します。図では左端の黒ボウルになります。この黒ボウルよりもジャックに近い赤ボウルの数が赤チームの得点になります。
図では2点です。このエンドは、2対0で赤チームの勝ちとなります。
国際大会では、ひとつのゲームで、これを21エンドくらい繰り返し、各エンドの総合点で勝敗を決めます。長いときには1ゲームに3時間くらいかかります。